スイスの大手金融グループ「クレディ・スイス」が発表した過去の財務報告の内部管理に「重大な弱点がある」ことを明らかにしたことをきっかけに、欧米の株式市場で株価が下落しています。
スイスのチューリヒに本拠を置く「クレディ・スイス」は、投資銀行業務や資産運用などのビジネスを50か国以上で展開する世界有数の金融機関です。
しかし、危機管理の不備や顧客情報の大規模な流出など不祥事が相次ぎ、利用者の資産引き出しなどが指摘されていました。
さらに「クレディ・スイス」は2021年12月期と2022年12月期の財務報告の内部管理について、「重大な弱点がある」ことを14日、発表しました。
財務諸表をみる監査法人も、内部管理に問題があるとする意見を表明しました。
さらに15日には海外メディアが「クレディ・スイス」の筆頭株主であるサウジアラビアの金融機関が追加の投資は行わない意向だと報じました。
こうしたことから、株式を売る動きが広がり、「クレディ・スイス」の株価は一時、30%を超える急落となりました。
「クレディ・スイス」の株価急落をきっかけに、ヨーロッパの株式市場、そしてニューヨーク株式市場でも株価が大幅に下落しています。
アメリカでは今月10日から12日、2つの銀行が破綻したことで、世界の金融市場に動揺が走り、株価が大幅に下落したばかりでした。
-- NHK NEWS WEB