台湾高速鉄道の運営会社は、新たに調達する車両も日本の新幹線をベースにしたものとすることを決定し、近く、日本企業と正式に契約を結ぶ見通しとなりました。
台湾の台北と高雄を結ぶ高速鉄道は海外で初めて日本の新幹線の技術を採用し、2007年に開業しました。
運営する「台湾高速鉄道会社」は輸送力を高めるため、新たな車両を調達することになり、入札の結果、去年12月、新幹線をベースにした新型の車両を提案した日立製作所と東芝の企業連合に優先交渉権を与えていました。
そして、15日に開いた取締役会で、この2社から調達することを決定し、近く、正式に契約を結ぶ見通しとなりました。
調達する新たな車両の数は12編成、合わせて144両で、金額は1240億円余りとなっていて、早ければ最初の1編成が2027年に営業運行されるということです。
台湾高速鉄道は現在運行している車両もすべて日本製で、今回の結果は順当とも言えますが、当初は価格面で折り合わず、入札が2度にわたって不調に終わったうえ、3度目の入札でも会社側は、日本企業からの調達に必ずしもこだわらない姿勢を見せていました。
これに対して日本側は台湾との友好関係を象徴する事業として重視し、去年、台湾を訪問した国会議員が蔡英文総統との会談でこの案件に言及したほか、国土交通省の高官を現地に派遣するなど、官民一体の形で受注にこぎ着けました。
-- NHK NEWS WEB