大手ゼネコンの大成建設は、札幌市に建設中の高層ビルで、鉄骨の組み立てに際して品質基準を満たしていないところが複数見つかったほか、発注元の企業に対し、鉄骨の組み立ての精度について虚偽の数値を報告していたことを明らかにしました。責任をとって担当する取締役など役員2人が辞任します。
大成建設によりますと、札幌市中心部でおととし10月から建設している26階建ての高層ビルについて、発注元の企業と定めた品質基準を満たしていないところがあったということです。
ことし1月に、発注元の企業からの指摘を受けて調べた結果、問題が発覚したということで、鉄骨の組み立てに際して基準を超えるずれが複数見つかったほか、コンクリートの床の厚みも基準より薄いところがあったとしています。
会社によりますと、工事の品質を管理する現場の担当者が、工事が遅れることなどを理由に品質に問題があることを上司に報告せず、その結果、発注元の企業に対して実際の数値とは異なる虚偽の報告をしていたということです。
この影響で、ビルの完成時期は当初予定していた来年2月から2年以上遅れて、2026年6月になるとしています。
会社は今回の不祥事の責任を明確にするため、建築部門を担当する取締役と札幌支店長の役員2人が今月末付けで辞任することになりました。
大成建設は「事態の重さを痛感するとともに二度とこのような事態を起こさぬよう、信用・信頼の回復に全力を尽くしてまいります」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB