アメリカの銀行の相次ぐ経営破綻やスイスの大手金融グループの経営悪化への懸念から、16日の債券市場ではリスクを避けようと日本国債を買う動きが強まり、長期金利は一時、0.27%まで低下しました。
国債は買われると価格が上がって金利が低下するという関係にありますが、16日の債券市場では、日本国債を買う動きが広がり、長期金利の代表的な指標となっている10年ものの国債の利回りは一時、0.27%まで低下しました。
長期金利は、先週の10日には0.495%をつけていましたが、アメリカの銀行が相次いで経営破綻したことや、スイスの大手金融グループ「クレディ・スイス」の経営悪化へ懸念が強まり、大きく低下しています。
その後、クレディ・スイスが中央銀行から日本円で7兆円を超える資金を調達する用意があると発表すると、長期金利はいくぶん上昇し、0.28%で取り引きを終えました。
市場関係者は「クレディ・スイスが資金調達の方針を発表したことで国債を買う動きはやや落ち着いたが、投資家の懸念は根強く、リスクを回避する傾向は長引く可能性がある」と話しています。
-- NHK NEWS WEB