アメリカの銀行の破綻やスイスの金融大手の経営悪化をめぐって、全国銀行協会の半沢淳一会長は、現時点で国内の金融システムなどに影響はみられないという認識を示したうえで、今後の金融環境の変化を注視する考えを示しました。
全国銀行協会の半沢会長は、16日の記者会見で、アメリカで相次いだ銀行の破綻について「いずれの銀行も資金調達が特定の業界に集中するなど固有の問題があったことに加え、アメリカの金融当局が預金の全額保護などを発表し、現時点では、グローバル金融がシステム不安に陥るリスクは小さいとみている」と述べました。
また、スイスの金融大手「クレディ・スイス」の経営悪化については、「アメリカの銀行破綻とタイミングが重なり、市場が大きく反応した。ただリーマンショック以降、グローバルな金融機関ではリスク管理を進めており、ヨーロッパの金融機関は総じて相応の頑健性を有している。日本の金融機関も同様だ」と述べ、現時点で国内の金融システムなどに影響が広がる兆候は見られないという認識を示しました。
そのうえで、「インフレや金利の動向、地政学リスクなど、金融市場を取り巻く環境は大きく変化している。引き続き注視が必要だ」と述べて、今後の金融環境の変化を注視する考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB