アメリカでは銀行が相次いで破綻する中、民間の銀行によるFRB=連邦準備制度理事会からの資金の借り入れが20兆円を超え、過去最高を記録したことが分かりました。
金融市場が動揺する中、資金繰りを中央銀行に頼っている現状が浮き彫りになりました。
FRBは今月15日までの1週間で、民間の銀行がFRBから借り入れた資金が1528億ドル余り、日本円で20兆円を超えたと16日発表しました。
借り入れ額は前の週の1週間と比べて30倍以上に急増しています。
これは、リーマンショックが起きた2008年につけた1107億ドルを超えて過去最高だということです。
また、FRBが金融システム安定のために今月12日に新たに導入した緊急の資金供給の枠組みも15日までの1週間でおよそ119億ドル、日本円でおよそ1兆5800億円の利用があったということです。
アメリカでは、今月10日から12日にかけて「シリコンバレーバンク」と「シグネチャーバンク」が相次いで経営破綻しました。
また、「ファースト・リパブリック・バンク」も経営への懸念が高まっていましたが16日、11の大手金融機関から合わせて300億ドル、日本円でおよそ4兆円の預金を受け取ると発表しました。
一時的に預金の流出が相次いだことが背景にあるものとみられ、金融市場が動揺する中、民間の銀行が「最後の貸し手」である中央銀行に資金繰りを頼っている現状が浮き彫りになりました。
-- NHK NEWS WEB