愛媛大学などのグループが、昆虫を含んだエサを与えたマダイの養殖に成功し、来月から出荷を始めることになりました。
愛媛大学と地元の水産会社は、養殖のエサに使われている魚粉に代わる原料として昆虫に着目し、去年7月から愛媛県宇和島市沖の生けすでマダイを育てる実証試験を行ってきました。
従来のエサは、原料のおよそ半分が魚粉ですが、新たなエサは原料の10%程度にミールワームと呼ばれる幼虫を使用しています。
試験で、およそ8000匹のマダイに昆虫を含むエサを与えたところ、従来のエサで育てたものよりも成長のスピードが速く、味も遜色ないことが確認できたということです。
試験に参加した水産会社は、重さが1.5キロに育ったマダイを来月から顧客向けに出荷する予定で、会社によると、昆虫を原料にしたエサで養殖した魚を出荷するのは全国で初めてだとしています。
大学などのグループは、原料となるミールワームを国内で生産する構想を描いていて、輸入に依存しない持続可能なエサとしても注目されそうです。
愛媛大学大学院農学研究科の三浦猛教授は、「大規模な実証実験を経て、マダイを販売して、初めて取り組みが成功したと言える。養殖に寄与できることは大きな成果だと思う」と話していました。
-- NHK NEWS WEB