日銀の新たな副総裁に前金融庁長官の氷見野良三氏と日銀の理事を務めた内田眞一氏が20日付けで就任しました。賃金の上昇を伴った2%の物価安定目標の実現を目指しますが、欧米の金融機関の経営に対する懸念がくすぶり続けるなかで金融システムの安定を保つことも求められます。
日銀の人事をめぐっては、新たな総裁に経済学者の植田和男氏を、副総裁に前金融庁長官の氷見野良三氏と日銀の理事を務めた内田眞一氏を充てる人事案が国会で同意され、このうち氷見野氏と内田氏が20日付けで副総裁に就任しました。
新副総裁の2人は、国会での所信の聴取と質疑でそれぞれ金融緩和を続けることで、企業の賃上げの動きを後押ししたいという考えを示しています。
ことしの春闘では、大企業を中心に賃上げの動きが進んでいますが、これが中小企業も含めてどこまで広がり経済の好循環につながるのかを見極めながら、2%の物価安定目標の実現を目指すことになります。
また、大規模緩和の長期化による副作用への対応が課題となるほか、アメリカの銀行の破綻などで金融市場の警戒感が高まるなか、金融システムの安定を保つことも求められます。
一方、植田氏は来月9日付けで総裁に就任する見通しで、日銀の新体制が本格的にスタートすることになります。
-- NHK NEWS WEB