新型コロナウイルスの治療薬の開発事業を手がけていた東京の医療ベンチャー企業の株価を操作する目的で、この会社にうその発表をさせたとして、金融商品取引法違反などの罪に問われている元会社役員に、東京地方裁判所は「株価を高騰させて利益を得る目的の犯行は厳しい非難に値する」として、執行猶予のついた懲役3年の有罪判決を言い渡しました。
東京 千代田区の医療関連会社の取締役だった竹森郁被告(51)は、3年前、業務提携先で新型コロナの治療薬開発事業を手がけていた医療ベンチャー企業の株価をつり上げる目的でうその発表をさせたとして、金融商品取引法違反の偽計取引の罪などに問われました。
元役員は株価をつり上げる目的はなかったなどと主張していました。
24日の判決で、東京地方裁判所の須田雄一裁判長は「株価を上げるための手順が書かれた文書などがあり、犯行を計画していたと認められる」などと指摘したうえで、「虚偽の内容を証券市場に開示させ多くの投資家に影響を及ぼした。株価を高騰させて利益を得る目的の犯行は厳しい非難に値する」などとして、竹森元役員に懲役3年、執行猶予5年を言い渡しました。
一連の事件では、公表前の内部情報をもとに株を買い付けたなどとして、これまでに5人が執行猶予のついた有罪判決を受け、確定しています。
-- NHK NEWS WEB