ドイツの金融最大手「ドイツ銀行」の株価が、24日、一時14%余りの急落となり、ヨーロッパの金融市場では再び金融不安が広がっています。
ドイツ銀行は24日、一部の社債を早期に償還すると発表しましたが、ドイツ銀行の株価は大幅に値下がりし、一時14%余りの急落となりました。
背景には、クレディ・スイスが発行していた「AT1債」と呼ばれる社債が当局によって無価値にされたことで、同じタイプの社債で自己資本の強化を図っていたヨーロッパの銀行にも影響が出るとの観測が広がっていました。
また、アメリカをはじめ、スイスやイギリスも相次いで利上げを決めたことから、景気が減速し、銀行の経営環境も厳しさが続くという見方が広がりました。
こうした状況のなか、クレディ・スイスの買収を決めたスイスのUBSやフランスのソシエテ・ジェネラル、イギリスのバークレイズなどの大手金融機関の株価も大きく値下がりしました。
市場関係者は「ドイツ銀行は社債をあえて早期に償還して財務の健全性をアピールしたにもかかわらず、不安感を払拭(ふっしょく)できていない。金融不安の根強さを示している」と話しています。
-- NHK NEWS WEB