アメリカで2つの銀行が相次いで破綻したことを受けて、財務省のイエレン長官が議長を務める「金融安定監視委員会」が開かれ、一部の銀行経営に影響が出ているものの、アメリカの銀行システムは健全だという認識で一致しました。
この委員会は2008年の金融危機を教訓に成立した法律に基づいて設置され、議長を務めるイエレン財務長官が、2つの銀行が相次いで破綻したことを受けて、24日開催を呼びかけ、中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長などが出席しました。
委員会は非公開で行われましたが、財務省の発表によりますと、銀行業界の現状について意見が交わされ、一部の銀行が影響を受けているものの、銀行システムは安定し、健全だという認識で一致しました。
一方、FRBは今月9日から15日にかけて中小規模の銀行全体で1200億ドル、日本円で15兆6800億円※の預金が流出したと発表しました
また中小の銀行は、この期間におよそ2500億ドル、日本円で32兆6700億円※※借り入れを増やしていました。
2つの銀行の破綻によって預金者の間で大手銀行に預金を移す動きが広がったため、中小の銀行が資金繰りの強化に向けて“最後の貸し手”のFRBから借り入れを増やしたことが要因とみられます。
政府とFRBは金融不安を払拭(ふっしょく)するためあらゆる措置を講じる方針を強調していますが、市場の警戒感は続いています。
-- NHK NEWS WEB