フランスで、マクロン政権が進める年金改革への抗議活動が激しさを増しています。
この影響で、イギリスのチャールズ国王の即位後初めての公式な外国訪問として準備が進められていた、フランスへの訪問が延期されることになりました。
フランス大統領府とイギリス王室は24日、今月26日から29日まで予定されていたチャールズ国王とカミラ王妃のフランス訪問が延期されたと発表しました。
首都パリなどで28日に年金改革への大規模な抗議活動が呼びかけられているためだとし、国王夫妻を友好的な環境で迎えるため、日程を改めて調整するとしています。
マクロン政権は、年金の支給開始年齢を現在の62歳から64歳に引き上げるなどとする法案を、野党などの反対を押し切る形で、憲法上の規定を使って議会での採決を経ずに、今月16日、採択しました。
これに反対する市民が各地で抗議活動を繰り広げ、23日には参加者の一部が警察と衝突するなど、激しさを増しています。
チャールズ国王夫妻のフランス訪問は、去年9月の即位後初めての公式な外国訪問として準備が進められていましたが、フランスの年金改革への抗議が外交日程にも影響を及ぼす事態となりました。
-- NHK NEWS WEB