ウクライナに侵攻するロシア軍は、掌握をねらってきた東部の激戦地バフムトで攻撃の勢いが失速し、大規模な攻撃から防御をより重視する態勢に移行しようとしているという見方がでています。
ウクライナ東部の激戦地バフムトの情勢を巡り、ウクライナ軍のザルジニー総司令官は24日、イギリス軍のトップ、ラダキン参謀長と電話会談を行ったとSNSで明らかにしました。
このなかで、ウクライナではバフムトの戦況が最も厳しいとする一方「ウクライナ軍の努力によって状況は安定してきている」と評価したということです。
戦況を分析するイギリス国防省は25日「バフムトでのロシア軍の勢いはおおむね失速している。ロシア軍が極端に消耗した結果であり、国防省と民間軍事会社ワグネルの関係が緊張していることによっても状況が悪化している可能性がある」と指摘しました。
そのうえで、ロシア軍がバフムトの南にあるアウディーイウカやバフムトの北側に位置する東部ルハンシク州のクレミンナの戦線に戦力の重点を移す可能性を指摘し、ロシア側はことし1月以降、決定的な結果を得られず大規模な攻撃から防御をより重視する態勢に移行しようとしていると分析しています。
アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も24日「ロシアの言論空間ではロシア軍の作戦が停滞し、ウクライナが主導権を取り戻す可能性があるとして大きな不安がでているようだ」と指摘しました。
その上で、戦況を立て直すには相当な数の部隊を投入する必要性があるが、ロシア軍に十分な兵力が残されているとはみられないとしています。
-- NHK NEWS WEB