フランスのパリでは、年金改革に反対するデモ隊がルーブル美術館の入り口を封鎖し、美術館は終日閉館となりました。年金改革への抗議活動が長期化する中、観光にも影響を及ぼしています。
フランスでは、年金の支給開始年齢を現在の62歳から64歳に引き上げるなどとする年金改革の法案が議会での採決を経ずに今月16日に採択されましたが、野党や組合は撤回を求めて抗議を続けています。
パリのルーブル美術館では27日、美術館の従業員らが参加する労働組合の呼びかけのもと、朝から200人ほどが集まってデモが行われ、美術館のシンボルでもあるピラミッド型の入り口を封鎖し、抗議の声をあげていました。
この日、美術館は終日閉館となり、入り口の周辺では、スタッフが観光客に払い戻しなどについて説明していました。
中央アジアのキルギスから家族で訪れた30代の男性は「楽しみにしていたルーブル美術館に入れないのは残念ですが、デモの文化は理解しているので、思い出にもなると思います」と話していました。
組合の代表を務め、美術館で警備員として働く男性は「遠い国から訪れた観光客には申し訳ないが、私たちがなぜここまで抗議しているのか、理解してほしい」と話していました。
フランスでは28日にも交通機関のストライキが予定されていて、年金改革への抗議活動が長期化する中、観光にも影響を及ぼしています。
-- NHK NEWS WEB