中東のイスラエルでは、ネタニヤフ政権が進める司法制度改革をめぐり、国民からの反発が強まっていて、27日には大学や空港など各地で抗議のストライキが行われ、混乱が広がりました。
ネタニヤフ首相は改革を当面凍結させる方針を示しましたが、混乱が収まるかは不透明です。
イスラエルでは、ネタニヤフ首相が、最高裁判所の判断について議会が覆すことなどを可能にする司法制度改革を進めようとしていて、国内外から三権分立が脅かされるとして懸念が広がっています。
ネタニヤフ首相は26日、改革の中止を呼びかけたガラント国防相を解任しましたが、これに反発して国内各地で抗議の声がさらに強まりました。
27日には、大学や企業、それに国内最大の空の玄関となっているベングリオン空港の職員などがストライキを行い、混乱が広がりました。
こうした事態を受け、ネタニヤフ首相は会見し「国が内乱に陥ってはいけない。このままだと社会に衝突が生まれるおそれがある」などと述べ、改革を1か月ほど凍結させる方針を示しました。
ただ、改革を強硬に進めてきた極右政党の閣僚が反対派に対抗するデモを支持者に呼びかけるなど国内の分断が深まっているうえ、政権側は改革を進める構えは崩しておらず、混乱が収まるかは不透明です。
-- NHK NEWS WEB