教科書の選定をめぐる贈収賄事件で元取締役らが罰金刑を受けた教科書会社「大日本図書」に対して、文部科学省は、新たな罰則を初めて適用し、令和5年度の教科書検定で、一部の教科について不合格にする方針を決めました。
大日本図書の元取締役と社員は、大阪 藤井寺市で教科書の選定委員を務めていた中学校の元校長に現金を渡したなどとして、去年11月、贈賄の罪で裁判所から罰金の略式命令を受けました。
この事件について、ことし1月、会社側が設置した調査委員会の報告書がまとまったことなどから文部科学省は、来年度の教科書検定で、この会社から教科書の申請があっても不合格にする方針を決めました。
対象となるのは令和7年度から使われることになる中学校の理科と数学、それに保健体育の3教科です。
文部科学省は、教科書会社が教員に金品を渡していたことなどが相次いで発覚したことを受けて、平成29年に不公正な行為があった場合には次の検定で不合格にするという罰則を設けていて、今回、初めて適用されることになります。
大日本図書は、主要な教科書会社の一つで、来年度に使用される中学校の理科の教科書ではおよそ27%を占め、3番目に多くなっています。
-- NHK NEWS WEB