アルミ大手の日本軽金属ホールディングスは、おととしグループ内の工場で発覚した検査不正問題の調査報告書を公表し、およそ6割にあたる全国36の拠点で200件を超える不正があったことを明らかにしました。
日本軽金属ホールディングスではおととし、建築資材などのアルミ製品を作るグループ会社の複数の工場で、規定と異なる検査をしながらJIS=日本産業規格のマークをつけて出荷するなど不正が相次いで発覚し、4つの工場でJISの認証の取り消しや一時停止の措置を受けています。
会社は29日、特別調査委員会による報告書を公表し、さらにほかの工場でも検査結果を改ざんするなど新たな不正が見つかったことを明らかにしました。
およそ6割にあたる全国36の拠点で、あわせて214件にのぼる不正が行われ、中には1980年代から行われていた不正もあったとしています。
そのうえで、不正の原因について、納期を順守しようとしたことや、品質保証部門の独立性や権限が不十分だったことなどをあげています。
一方、会社ではいずれのケースも製品の安全性には影響がなかったとしています。
記者会見で岡本一郎社長は「多大な迷惑とご心配をおかけし深くおわび申し上げます。再発防止の取り組みを着実に実施して信頼回復に努めます」と述べました。
会社は、岡本社長の月額報酬を6か月間、50%減額するなど幹部14人の処分を決めました。
-- NHK NEWS WEB