中国の李強首相は南部・海南島で開かれている経済フォーラムで演説し、外国企業に対して国内市場の開放を積極的に進める姿勢を強調しました。一方で、中国の首都・北京では今月、大手製薬会社の駐在員が中国当局に拘束される事案が起きていて、日本企業などの間では中国事業に対する警戒感が強まっています。
中国の李強首相は30日、南部の海南島で開催されている経済フォーラム「ボーアオ・アジアフォーラム」で演説しました。
この中で李強首相は「市場参入を拡大してビジネス環境を改善し、外国企業が投資したくなる制度と環境の整備を進める」と述べ、外国企業に対して国内市場の開放を積極的に進める姿勢を強調しました。
中国経済は、厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策の影響などで停滞しました。
このため、外国企業による投資や事業展開を促すことで経済の立て直しにつなげたいねらいもあるとみられます。
一方、中国の首都・北京では今月、大手製薬会社のアステラス製薬の50代の駐在員が帰国直前に「スパイ活動に関わった疑いがある」として、国家安全当局に拘束される事案が起きたほか、アメリカの調査会社の中国人従業員5人が当局に拘束されたと伝えられています。
こうした事態を受けて、現地に進出する日本企業などの間では、中国事業の不透明さに対する警戒感が強まっています。
-- NHK NEWS WEB