携帯大手各社は、通信障害が発生した際に、公共交通機関などで提供しているWi-Fiサービスを無料で相互に開放する仕組みを検討しています。障害時の代替手段として会社の垣根を越えて協力する形です。
携帯電話サービスをめぐっては、去年、KDDIで2日半以上にわたる大規模な通信障害が起きるなど、各社でトラブルが相次ぎ、障害が発生した際に代替手段をいかに確保するかが課題となっています。
こうした中、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルは、障害が発生した際、自社の利用者向けに提供しているWi-Fiサービスを、無料で相互に開放する仕組みを検討していることが分かりました。
各社は、全国の公共交通機関や飲食店などにアクセスポイントを設けてWi-Fiサービスを提供しています。
災害が発生した際は、これらのWi-Fiサービスを「00000JAPAN」のネットワーク名に統一して無料で開放する仕組みがあり、これを通信障害の発生時にも活用する計画です。
総務省では、災害や通信障害の際にほかの会社の携帯回線を利用できる「ローミング」の導入に向けた議論を行っていますが、実現には課題も多く、開始時期の目標は2025年度末となっています。
一方、Wi-Fiの相互解放は「ローミング」よりも早く開始できる可能性があり、各社は実現に向けて調整を急いでいます。
-- NHK NEWS WEB