新入社員だった女性が過労のため自殺した大手広告会社の電通でも3日入社式が開かれ、ことし就任した社長が一連の問題について陳謝し、「電通の最大の財産は『人材』です」とあいさつしました。
東京・港区にある電通の本社では3日午前、本社や子会社の入社式が開かれました。電通では、新入社員だった高橋まつりさん(当時24)がおととし過労のため自殺し、会社や高橋さんの当時の上司が労働基準法違反の疑いで書類送検されました。
電通によりますと、入社式では一連の問題で辞任した前社長の後任としてことし1月に就任した山本敏博社長が145人の新入社員を前にあいさつし、「入社を控えた皆さんとご家族の方々に多大な心配をお掛けしたことをとても心苦しく感じています」と陳謝したということです。
そのうえで山本社長は「電通の最大の財産は『人材』です。電通を舞台に、皆さん自身の可能性を大いに広げてください」と話したということです。
広報を担当する河南周作局長は「一連の問題を受けて、新入社員には月45時間を超える残業はさせないほか、研修の段階から先輩社員が連携し相談しやすい環境を整えたい。労働環境改革は道半ばですが全社を挙げて取り組んでいる」と話していました。
-- NHK NEWS WEB