アメリカのバイデン政権は、EV=電気自動車の購入者が日本円で最大100万円程度の税制優遇を受けられる仕組みの条件を発表しました。優遇策は北米地域で組み立てられたEVが対象で、日本メーカーにとっては厳しい条件となります。
バイデン政権は去年8月、気候変動対策に巨額の予算を盛り込んだ法律を成立させ、EVの普及に向けて購入者が最大7500ドル、日本円で100万円程度の税制優遇を受けられる仕組みを盛り込みました。
優遇の対象は北米地域で最終的に組み立てられたことが前提条件で、さらにEVに欠かせない重要鉱物と蓄電池についても条件が設定され、アメリカの財務省は3月31日、その詳細を発表しました。
それによりますと、重要鉱物の抽出と加工はアメリカと、アメリカがFTA=自由貿易協定を結ぶ国、それに日本なども含まれることになりましたが、蓄電池の部材は北米地域での製造・組み立てが条件で、その割合は徐々に引き上げられ、2029年には100%になります。
アメリカとしては、EVの供給網で高いシェアを誇る中国に対抗するとともに、国内の産業振興にもつなげたいねらいがあると見られています。
日本や韓国などは自国メーカーが不利になるとして、アメリカに見直しを求めてきた経緯があります。
日本メーカーは、巨大市場のアメリカで現地生産に向けた投資を加速させていますが、現時点では日本の多くのEVが税制優遇の対象外となる見込みで厳しい条件となります。
-- NHK NEWS WEB