中国を訪問している林外務大臣は2日、秦剛外相らとの会談に臨みます。
沖縄県の尖閣諸島を含む東シナ海の情勢などに深刻な懸念を伝える一方、対話の継続を確認したい考えで、経済分野の協力や首脳間の往来などで成果を出せるかが焦点となります。
林外務大臣は1日夕方、チャーター機で中国・北京に到着しました。
外務大臣の中国訪問はおよそ3年3か月ぶりで2日、秦剛外相との初めての会談に臨むほか、中国共産党の最高指導部のメンバーとの会談も調整しています。
一連の会談で、林大臣は中国海警局の船が領海侵入を繰り返している沖縄県の尖閣諸島を含む東シナ海の情勢や、中国がロシアとも連携して日本周辺で軍事的活動を活発化させていることに深刻な懸念を伝えるほか、台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて強調する方針です。
また、大手製薬会社の男性ら中国国内で拘束された日本人の早期解放を強く求めることにしています。
さらに、東京電力福島第一原発にたまる処理水を基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画の安全性を説明し、中国側による対外的な発信は、科学的根拠に基づいていないとして抗議する方針です。
一方で、両国は地域と世界の繁栄に大きな責任を担っているとして、建設的で安定的な関係の構築に向けて対話を継続していくことを確認したい考えで、経済や文化、人的交流といった分野の協力や首脳間の往来などで成果を出せるかが焦点となります。
-- NHK NEWS WEB