東京証券取引所は、1株当たりの純資産と比較して株価が1倍を下回っている企業が多いことから、こうした市場での評価が低い企業に対して株価上昇につながる具体策を示すよう求めています。
1株当たりの純資産に対して株価が何倍かをあらわす指標はPBR=株価純資産倍率と呼ばれ、これが1倍を下回ると、会社が解散したときに株主のもとに残るいわゆる「解散価値」より株価が安い状態にあるとみられることもあります。
東京証券取引所の最上位のプライム市場とスタンダード市場に上場しているおよそ3300社のうち、PBRが1倍を下回る企業は先月31日の時点でおよそ1800社に上っています。
東証は、こうした市場での評価が低い企業に対して株価上昇につながる具体策を作り、株主に開示するよう求めています。
東証は去年4月に市場を再編しましたが、東証プライム市場に上場している企業全体の時価総額は、先月31日の時点で713兆3900億円余りと、再編時に比べて9兆円余り、率にして1.3%の増加にとどまっていて、今回の企業への要請で企業価値の向上や市場の競争力の強化につなげられるかが焦点となります。
-- NHK NEWS WEB