外務大臣としてはおよそ3年ぶりとなる中国訪問で林外務大臣は、秦剛外相らと会談し、あらゆるレベルで緊密に意思疎通を図ることで一致しました。
政府は今後も対話を継続して、日本人の拘束や、東シナ海での海洋進出など懸案解決に向けた糸口を探り建設的で安定的な関係の構築を図っていきたい考えです。
林外務大臣は2日、秦剛外相とおよそ4時間にわたって会談したほか、中国共産党の最高指導部の1人、李強首相や、外交を統括する王毅政治局委員とも意見を交わしました。
一連の会談で林大臣は、大手製薬会社の男性ら日本人が中国国内で拘束されたことに抗議し早期解放を強く申し入れたほか、中国が海洋進出を強めている東シナ海の情勢などに深刻な懸念を伝えました。
一方で、課題や懸案があるからこそ対話が必要だとして、今後も首脳や外相を含めたあらゆるレベルで緊密に意思疎通を図ることで一致しました。
林大臣は「日中双方で意見の相違はあるが、相互理解を深めることができたと考えている」と述べました。
政府は中国との対話を継続して両国間の課題や懸案の解決に向けた糸口を探り、建設的で安定的な関係の構築を図っていきたい考えです。
また、一連の会談内容を踏まえ、来月のG7広島サミットでウクライナ情勢やインド太平洋地域の情勢をめぐる議論を主導したいとしています。
一方、3日未明帰国した林大臣はNATO=北大西洋条約機構と日本や韓国などのパートナー国による外相会合に出席するため、3日夜、ベルギーに向けて出発する予定です。
-- NHK NEWS WEB