国土交通省のOBで、空港施設の運営会社の副社長が、就任前のおととしの役員会議で国土交通省の意向だと受け取られかねない発言をして、自身を副社長にするよう要求していたことが会社の調査でわかりました。このOBは3日、「一身上の都合」を理由に副社長を辞任しました。
東京 大田区の企業「空港施設」によりますと、国土交通省で東京航空局長などを務めた山口勝弘副社長は、取締役だったおととし5月、役員会議の場で自身を副社長にするよう要求したということです。
その際、会社が国有地を借りていることを挙げて「航空局からしたら、会社に協力している証し」とか「私自身の考えではなく、しかるべきところに聞かなくてはならない」などと述べ、国土交通省の意向と受け止められかねない発言をしていたことが、会社の調査でわかりました。
会社は調査を続けていますが、山口氏は3日、「一身上の都合」を理由に、副社長を辞任したということです。
山口氏は会社の調査に「威圧的な言動をしたつもりはないが、受け手がそう感じているのであれば申し訳ない」などと話しているということです。
「空港施設」は「当時の発言は不適切なものと考えていて、誠に遺憾です。さらなるガバナンスの強化に向けて引き続き調査を行い適切に対応したい」とコメントしています。
「空港施設」をめぐっては、国土交通省の元事務次官が去年12月に会社を訪れて、山口氏を次の役員人事で社長にするよう求めたうえで「国交省としてサポートする」などと伝えていたことがわかっています。
-- NHK NEWS WEB