金融不安をきっかけに経営危機に陥り、スイスの金融大手「UBS」に救済買収されることになった「クレディ・スイス」が株主総会を開きました。経営トップは破綻寸前まで追い込まれたことを謝罪しました。
「クレディ・スイス」は4日、スイスのチューリヒで定例の株主総会を開きました。
総会の冒頭、アクセル・レーマン会長が、「信頼の失墜に歯止めをかけることができなかった。本当に申し訳ない」と述べ、破綻寸前にまで追い込まれたことを謝罪しました。
レーマン会長は、去年から具体的な経営再建に取り組んできたものの、インフレやアメリカの銀行破綻の影響を受けて時間がなくなってしまったとしたうえで「買収か破綻のどちらかの選択しかなかった」と釈明しました。
「クレディ・スイス」は相次ぐ不祥事やリスク管理の甘さなどから業績が悪化し、先月15日には株価が急落して顧客資金の流出が止まらず、政府や中央銀行が強力に介入する形でスイスの金融大手「UBS」に救済買収されることになりました。
今回、政府が特例措置を導入し、株主総会の決議なしに買収を成立させたため、総会で買収を認めるかどうかは議決対象になっていません。
しかしこうした国主導の救済措置には国民の反発も強く、市場価格を大きく下回る買収額の妥当性など株主から厳しい意見表明が相次ぎました。
-- NHK NEWS WEB