ウニの産地として知られる北海道の利尻町で、ふるさと納税の返礼品のウニに外国産のウニが混ぜられていたことをめぐり、警察は返礼品の業務を委託されていた水産加工会社の元社長が産地を偽装していたとして、食品表示法違反の疑いで逮捕しました。
逮捕されたのは、北海道厚岸町の水産加工会社「カネマス上田商店」の元社長、上田敏樹容疑者(62)です。
警察の調べによりますと上田元社長は、利尻町からふるさと納税の返礼品の業務を委託されていた去年1月から2月にかけて、返礼品の冷凍ウニが外国産だったにもかかわらず利尻産と偽ってあわせて11パックを納品したとして、食品表示法違反の疑いが持たれています。
返礼品を受け取った納税者から、「ウニがおいしくない」とか「本当に利尻産なのか」といったクレームが町に相次いだことをきっかけに不正が発覚し、警察が捜査を進めていました。
元社長は調べに対し、容疑を認めているということです。
捜査関係者などによりますと、返礼品に使われたウニはロシア産やカナダ産で、これまでに産地が偽装された件数はおよそ2900件に上るとみられています。
警察は、偽装を繰り返した動機やいきさつを詳しく調べることにしています。
不正を受けて、利尻町は、寄付した人に対して返金や代替品のウニを送る対応をとったほか、水産加工会社に対して5800万円余りの損害賠償の支払いを求め、町によりますと先月下旬に全額が支払われたということです。
-- NHK NEWS WEB