国内の株式市場では昨年度、「企業」が株式を買った額は、売った額を5兆5000億円余り上回り、「買い越し」の額としてはこれまでで最大となったことがわかりました。背景には、企業の間で株式の価値を高めようと、「自社株買い」の動きが活発となったことがあるとみられます。
東京証券取引所によりますと、昨年度、国内の株式市場では、金融機関などを除いた「企業」が株式を買った額は、売った額を5兆5000億円余り上回り、大幅な「買い越し」となりました。
前の年度と比べると2倍以上に増えていて、東証によりますと、「買い越し」の額としては、記録がある1999年度以降で最大だということです。
背景には、市場で流通する株式を減らして株式の価値を高めようと、企業の間で自社の株を買い戻す「自社株買い」の動きが活発となったことがあるとみられます。
大和総研によりますと、企業の「自社株買い」の規模は、昨年度、9兆5000億円を超えて過去最大となったということです。
東証は先月下旬、株価の低迷が続くなど市場での評価が低い企業に対して、株価上昇につながる具体策を株主に示すよう求めていて、この対策として企業が「自社株買い」の動きをさらに強めるかが焦点となります。
-- NHK NEWS WEB