デジタル化の進展に伴い、データセンターは需要の拡大が見込まれる一方、大量の電力消費をいかに抑えるかが課題となっています。
企業の間では、液体を使った冷却装置など省エネ性能を高める技術開発が加速しています。
データ処理などを担うデータセンターはサーバーが熱を帯びやすいため、多くの電力を消費する大規模な空調装置を使って室温を下げています。
そこで、通信大手のKDDIなどは、サーバーを比較的温度が低い潤滑油に浸して冷却する「液浸」と呼ばれるシステムを開発しました。
空調で冷やすのと比べて、冷却に必要な電力を94%削減できるということです。
加藤真人エキスパートは、「データセンターの電力の半分近くは、冷却のために使われているので、液浸の技術で課題解決につなげていきたい」と話しています。
また、京セラはサーバーの内部で電気信号を光信号に変換してデータを伝送する装置を開発しました。
少ない電力で大容量のデータを高速処理でき、データの伝送に必要な電力を従来より4割ほど削減できるということで今年度中の実用化を目指しています。
オンライン会議の普及や動画配信の拡大などデジタル化の進展に伴い、国内のデータセンターの電力消費量は2030年には、2018年のおよそ6倍になると予想され、デジタル化と脱炭素の両立を目指す技術開発が今後も進みそうです。
-- NHK NEWS WEB