日本の大手商社も出資するロシア極東の石油・天然ガス開発プロジェクト、サハリン2。ロシア政府はこの事業から撤退を表明していたイギリスの大手石油会社「シェル」が保有していた株式をロシアの企業が取得することを承認しました。
日本にLNG=液化天然ガスを供給しているサハリン2の運営会社に出資していたイギリスの大手石油会社「シェル」はロシアのウクライナ侵攻後、去年2月に撤退を表明していました。
ロシア政府は12日、この会社が保有していたおよそ27.5%の株式をロシアの大手民間ガス会社「ノバテク」が取得することを承認したと発表しました。
株式の取得額は948億ルーブル、日本円にしておよそ1545億円になるとしています。
サハリン2をめぐってはロシア政府が事業を引き継ぐ会社「サハリンスカヤ・エネルギヤ」を設立し、日本がロシアへの経済制裁を科す中でも日本の三井物産と三菱商事はこの新会社への出資を決め、これまでと同じ比率での権益を維持しています。
日本はエネルギー安全保障の観点から、この事業を重視していますが、プロジェクトの中心となってきた「シェル」が完全に撤退することで今後日本へのLNG供給にどのような影響がでるのか、懸念も出ています。
-- NHK NEWS WEB