証券会社の「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」は、スイスの大手金融グループ「クレディ・スイス」が発行し、経営危機に陥ったことで無価値となった「AT1債」と呼ばれる社債、およそ950億円分を国内の富裕層などに販売し、その後クレディ・スイスが経営危機に陥ったことで無価値となったと明らかにしました。
「クレディ・スイス」は、先月、経営危機に陥ってライバルの「UBS」に救済買収されましたが、これに伴って、会社が発行していた日本円で2兆円余りに相当する「AT1債」と呼ばれる特定の社債が無価値となりました。
これについて、日本の「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」がクレディ・スイスが経営危機に陥る前にこの「AT1債」を国内の富裕層などの顧客に販売していたことがわかりました。
会社によりますと、個人と法人、合わせて1500の口座に対して販売し、およそ950億円分が無価値となったということです。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は「ご心配をおかけし心苦しく思います。お客様には丁寧に説明して参ります」とコメントしています。
クレディ・スイスの「AT1債」が無価値となったことについて金融庁は、日本への影響は限定的だとみていますが、国内で複数の会社の投資信託にも含まれていたことが明らかになるなど、影響が出始めています。
-- NHK NEWS WEB