日銀が3日発表した短観=企業短期経済観測調査では、人手が足りないという企業が一段と増え、人手不足感を示す指数は25年ぶりの高い水準となりました。
日銀の短観では、国内のおよそ1万1000社に景気の見方を聞くとともに、雇用の状況も調べています。
企業が、従業員の人数について「過剰」と答えた割合から「不足」と答えた割合を差し引いた指数は、マイナスの幅が大きいほど人手不足を感じている企業が多いことを示しています。
3日に発表された短観によりますと、この指数は、大企業がマイナス15と、前回、3か月前の調査よりマイナス幅が2ポイント拡大したほか、中小企業もマイナス28と、4ポイント拡大しました。企業全体でもマイナス25と、マイナス幅は4ポイント拡大し、人手不足感を示す指数はいずれも平成4年以来、25年ぶりの高い水準となりました。
業種別では、外食や宅配、土木建設などで特に人手不足感が強まっています。こうした人手不足を背景に、宅配最大手のヤマト運輸が時間帯指定の配達など一部のサービスを縮小したり、引っ越し大手のアートコーポレーションが繁忙期の受注を抑えたりするなど、事業を見直す動きが広がっています。
深刻な人手不足が続けば、企業の事業運営や日本経済の成長の妨げになりかねず、女性や高齢者などがより働きやすい環境の整備や労働効率をいかに高めていくかが課題となっています。
-- NHK NEWS WEB