桁違いの計算能力の高さから次世代のコンピューターとして研究開発が進められている「量子コンピューター」についてアメリカのIT大手「IBM」が開発した最新型が、この秋をめどに国内に導入されることになりました。商業用のタイプとしては国内では最高性能となります。
これは21日、IBMのジェイ・ガンベッタフェローと東京大学の相原博昭理事が東京都内で会見を開いて発表しました。
会見で2人は、IBMが開発した商業用としては最新の量子コンピューターをこの秋をめどに導入し、東京大学などが利用することを明らかにしました。
最新型は量子コンピューターの頭脳にあたる集積回路を構成する「量子ビット」の数が127とこれまでのおよそ5倍あり、商業用としては国内で最高性能だとしています。
この量子コンピューターは川崎市内の施設に置かれ、使用権を持つ東京大学が国内の自動車メーカーや金融機関などと作る協議会と共同で利用し、経済産業省が導入にかかる費用などとして42億円を補助するということです。
量子コンピューターは、先月には理化学研究所などが国産の初号機を開発し、企業や大学の研究者が利用できるサービスを始めるなど実用化に向けた動きが相次いでいます。
東京大学の相原理事は「人材育成に取り組むとともに、宇宙や創薬、AIなどの重点分野の研究を進展させ、量子によるイノベーションをもたらすことを目指したい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB