全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、ALS=筋萎縮性側索硬化症について、FDA=アメリカ食品医薬品局は25日、アメリカの製薬会社が開発した新薬を「患者に利益があると合理的に予測できる」として、治療薬として承認したと発表しました。
承認されたのはアメリカの製薬会社「バイオジェン」が開発したALSの治療薬「トフェルセン」です。
この治療薬はALS患者の中でも「SOD1」と呼ばれる特定の遺伝子の変異が原因の遺伝性のALS患者が対象です。
この変異があると、毒性のあるたんぱく質が作られ、筋肉を動かす神経が損傷して、症状が徐々に進行していきます。
FDAによりますと108人の患者を対象にした治験で、薬を投与した患者では血液に含まれる、神経が損傷していることを示す物質が減少していることが確認されたということです。
FDAは「この薬は患者に利益があると合理的に予測できる」として、深刻な病気の患者に対し、より早く治療を提供する「迅速承認」という仕組みで承認しました。
バイオジェンによりますと、この治療薬はALSの患者全体のおよそ2%、アメリカ全体ではおよそ330人が対象で、ALSの根本的な原因に働きかける薬が承認されるのは、今回が初めてです。
-- NHK NEWS WEB