巨額の預金流出が明らかになったアメリカの地方銀行、「ファースト・リパブリック・バンク」の株価が急落し、市場では金融不安への警戒が強まっています。欧米のメディアは金融当局の関与やほかの銀行による追加支援策も協議されていると報じています。
アメリカ西部カリフォルニア州に拠点を置く地方銀行、ファースト・リパブリック・バンクは3月、銀行破綻が相次いだ際に連鎖的に預金が流出し、金融大手のJPモルガン・チェースなど11の大手金融機関から支援策としてあわせて300億ドル、日本円でおよそ4兆円の預金を受け取っていました。
この地方銀行は預金が先月末時点で719億ドル、日本円でおよそ9兆6000億円、流出していたことを今月24日、明らかにしました。
この発表を受けて銀行の経営への懸念が再び高まり、銀行の株価は翌日の25日に49%、26日も29%下落し、金融不安が起きる前と比べると株価が20分の1になりました。
欧米のメディアはこの銀行が財務の改善のために資産売却を検討していると伝えたほか、金融当局の関与やほかの銀行による支援策も協議されているなどと報じています。
市場では再び金融不安を引き起こしかねない事態に警戒が強まっています。
-- NHK NEWS WEB