九州電力は燃料費高騰の影響などで昨年度の最終損益が大幅な赤字に陥る見通しになっていることなどから、財務基盤の強化に向け、2000億円規模の資本増強を行うことで調整を進めていることがわかりました。
九州電力は、原発の停止が長期化したことに加え、ロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響を受けて、海外から輸入する火力発電用のLNG=液化天然ガスの費用がかさみ、ことし3月末までの1年間の最終損益が750億円の大幅な赤字になる見通しを示しています。
関係者によりますと、九州電力は業績の悪化を踏まえ、銀行を引き受け先として合わせて2000億円規模の資本増強を実施することで調整を進めているということです。
具体的には、みずほ銀行と日本政策投資銀行がそれぞれ800億円、三菱UFJ銀行が400億円の優先株を引き受ける方向だとしています。
九州電力は現時点で規制料金の値上げ申請を見送っていますが、資本増強によって財務基盤を強化するねらいがあるとみられ、28日の取締役会でこうした内容を決める予定です。
大手電力各社の間では原発の停止や燃料費の高騰などから規制料金の値上げを国に申請する動きも相次いでいて、収益の改善や財務基盤の強化を迫られています。
-- NHK NEWS WEB