製薬大手のアステラス製薬は、眼科領域の新薬を開発するアメリカにあるバイオ医薬品会社を59億ドル、日本円でおよそ8000億円で買収すると発表しました。眼科領域の薬を強化する狙いがあります。
発表によりますと、アステラス製薬は2007年に設立されたアメリカのバイオ医薬品会社「アイベリック・バイオ」を59億ドル、日本円でおよそ8000億円で買収することで合意しました。
この会社は眼科領域に特化した新薬の研究開発を手がけていて、視力が落ちたり失明したりする恐れのある「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」の治療薬候補について、FDA=アメリカ食品医薬品局に承認を申請しているということです。
アステラス製薬では、自社でも眼科領域の新薬の研究開発を行っていますが、今回の買収を通じて、眼科領域の強化や新薬の開発ノウハウを獲得する狙いがあります。
また、主力の前立腺がんの治療薬が2020年代後半に特許切れを迎えることから、買収によって将来的に売り上げの減少を補いたいとしています。
買収は、ことし9月までに完了する予定です。
アステラス製薬の岡村直樹 社長は「失明リスクの高い眼科疾患に罹患している患者に、より大きな価値を届けることができると確信している」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB