アメリカの金融当局は、経営の懸念が高まっていた銀行「ファースト・リパブリック・バンク」が経営破綻し、預金と資産を大手銀行のJPモルガン・チェースが買収すると発表しました。アメリカの銀行破綻としては、3月に破綻したシリコンバレーバンクを上回り、史上2番目の規模となりました。
アメリカのFDIC=連邦預金保険公社など、金融当局は1日、カリフォルニア州に拠点を置く銀行「ファースト・リパブリック・バンク」が経営破綻したと発表しました。
併せて、この銀行の預金と資産を大手銀行のJPモルガン・チェースが買収すると発表しました。
全米8つの州にある84の店舗は、1日からJPモルガン・チェースの店舗として営業を再開するということです。
この銀行の総資産は4月13日時点で2291億ドル、日本円でおよそ31兆円で、3月に経営破綻したシリコンバレーバンクを上回り、2008年に破綻した貯蓄金融機関に次ぐ、史上2番目の規模の銀行破綻となりました。
この銀行は、3月にアメリカで銀行の経営破綻が相次いで金融不安が広がると、預金が流出し、3月16日には11の大手金融機関から経営への異例の支援策として合わせて300億ドル、日本円でおよそ4兆円の預金を受け取っていました。
しかし、4月24日の決算発表で、3月末時点の預金残高が日本円でおよそ9兆6000億円減少したことを明らかにすると、翌日の25日から株価が急落し、経営への懸念が高まっていました。
3月10日のシリコンバレーバンクの経営破綻から2か月たたないうちに、合わせて3つの銀行が破綻する異例の事態で、金融市場では金融不安が再び広がることに警戒が強まっています。
-- NHK NEWS WEB