ロシアのショイグ国防相は軍需産業に関わる企業に対し、ミサイルなど兵器の製造を急ぐよう指示したと明らかにしました。欧米の軍事支援を受けるウクライナが近く反転攻勢に乗り出す構えを示す中、ロシアは兵器製造を強化し侵攻を続ける考えとみられます。
ウクライナでは2日、南部ヘルソン州でロシア軍による砲撃を受け地元当局は市民3人が死亡し5人がけがをしたと明らかにしました。
また、東部ドネツク州の激戦地バフムトをめぐり、ウクライナ軍の参謀本部は「激しい戦闘が続いているがウクライナ軍は持ちこたえている」と発表しました。
バフムトとその周辺について、アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は1日、ロシア側の死傷者は去年12月以降、およそ10万人に上るとの見方を示していますが、ロシア大統領府のペスコフ報道官は2日「完全にでたらめだ」と反論しています。
ロシア軍はバフムトの完全掌握に向けて攻撃を強めていて、プーチン政権としては今月9日のロシアの第2次世界大戦の戦勝記念日が近づく中、国民に戦果を示したいねらいもあるとみられます。
一方、ロシアのショイグ国防相は2日、軍の幹部を集めた会議で「ウクライナでのロシア軍の活動は兵器や軍装備の補充に大きく依存している」と述べ、軍需産業に関わる企業に対し兵器の製造を急ぐよう指示したと明らかにしました。特にミサイルについては短期間で倍増させるよう求めたとしています。
ロシア国防省は先月30日、軍事物資の補給部門を統括する国防次官を交代させたと発表したばかりで、弾薬など兵器不足が深刻化していると指摘されています。
ウクライナが欧米側の軍事支援を受け近く反転攻勢に乗り出す構えを示すなか、ロシアは兵器製造を強化し、侵攻を続ける考えとみられます。
-- NHK NEWS WEB