子どもや高齢者が感染すると重い肺炎になることがあるRSウイルス感染症について、FDA=アメリカ食品医薬品局は、イギリスの製薬会社が開発したワクチンの、60歳以上への使用を承認したと発表しました。製薬会社によりますと、こうしたワクチンが承認されるのは、世界で初めてだということです。
RSウイルス感染症は、発熱やせきなど、かぜに似た症状が出る病気で、幼い子どもや高齢者が感染すると肺炎などを引き起こし重症化することがあります。
FDAは3日、イギリスの製薬会社のグラクソ・スミスクラインが開発したRSウイルス感染症のワクチンについて、アメリカ国内での60歳以上への使用を承認したと発表しました。
製薬会社によりますと、この感染症の高齢の世代を対象とするワクチンが承認されるのは、世界で初めてだということです。
FDAによりますと、およそ1万2500人がワクチンの接種を受けた臨床試験で、重い症状を防ぐ効果や発症を防ぐ効果が確認できたとしています。
一方、接種を受けた中の10人に不整脈の一つ「心房細動」が確認されたということで、製薬会社が今後、調査を続けるということです。
FDAは「RSウイルス感染症は、心臓や肺に持病がある人や免疫が弱い高齢者にとって特にリスクが高い病気で、ワクチンの承認は命を脅かす病気を防ぐという観点から重要な成果だ」としています。
-- NHK NEWS WEB