預金の流出が明らかになっているアメリカの銀行「パシフィック・ウエスタン・バンク」を傘下に置く持ち株会社の株価が急落し、経営への懸念が強まっています。欧米のメディアは銀行の売却や増資などが検討されていると報じています。
西部カリフォルニア州に拠点を置く銀行、パシフィック・ウエスタン・バンクの持ち株会社は、アメリカで銀行破綻が相次いで金融不安が広がった影響でことし3月末時点の預金残高が去年末時点と比べておよそ17%、減少したことを先月の決算発表で明らかにしました。
1日にファースト・リパブリック・バンクが経営破綻したあと、この銀行の経営への懸念が改めて強まり、銀行の持ち株会社の株価は2日に27%の急落、4日も50%の急落となり、3月に金融不安が広がる前と比べておよそ8分の1になりました。
欧米のメディアは3日、銀行の持ち株会社が銀行の売却や増資も含めた選択肢を検討していると報じています。
これを受けて銀行の持ち株会社は4日、声明を出し「ファースト・リパブリック・バンクの経営破綻後、異常な預金流出は起きていない」としてさらなる預金の流出を否定しました。
そのうえで、資産の売却に加えて戦略的な選択肢を継続的に検討し、複数の潜在的なパートナーや投資家と接触していると明らかにしました。
アメリカでは3月10日から2か月足らずで3つの銀行が経営破綻する異例の事態となり、4日はほかの銀行でも株価が急落するなど、銀行経営への懸念が広がっています。
-- NHK NEWS WEB