アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会の調査で、銀行が企業などへの融資の基準を厳しくしていることが分かりました。金利の上昇や銀行の経営破綻などをうけて融資を絞り込む実態が浮き彫りになっています。
FRBは国内の銀行など80行余りの融資担当者を対象に3か月に1度、企業や家計への融資の基準や資金需要などを調査していて、ことし3月、銀行の破綻が相次いだあとに行った最新の調査の結果を8日、公表しました。
それによりますと半数近い銀行が企業向けの融資の基準を厳しくしていると回答しました。
オフィスや店舗などの商業用不動産についても融資の基準を厳しくしているとしていて、在宅勤務の定着によってオフィスなどの賃料収入が悪化する中、銀行が損失を防ぐため融資に慎重になっていることがうかがえます。
また家計向けも多くの融資で基準が厳しくなり、資金需要も減少傾向となっています。
各行の担当者は、今後も金利の上昇や預金が流出することなどへの懸念から融資基準を厳しくするとしています。
この調査結果をうけてニューヨーク株式市場では企業や個人が銀行から資金を借りにくくなれば景気減速につながるとの見方から売り注文が出て、ダウ平均株価は一時、値下がり幅を拡大しました。
市場関係者は「今後、銀行が融資の基準をどこまで厳しくするかが、景気がどこまで後退するかに関わってきそうだ」と話しています。
-- NHK NEWS WEB