ロシアのプーチン大統領は第2次世界大戦の戦勝記念日の演説で、ウクライナへの軍事侵攻を継続する姿勢を強調しました。これに対してウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア側は戦勝記念日までにウクライナ東部の激戦地を掌握しようとしたが失敗したと指摘し、引き続きバフムトの戦況が焦点のひとつとなります。
ロシアのプーチン大統領は9日、第2次世界大戦の戦勝記念日にあわせた演説で「われわれの祖国に対して再び本当の戦争が行われている」などと述べ、ウクライナへの軍事支援を強める欧米側を非難してウクライナへの軍事侵攻を正当化し、今後も継続する姿勢を強調しました。
これに対してウクライナのゼレンスキー大統領は、9日の会見で、東部の激戦地バフムトについて「ロシア軍はバフムトを掌握できなかった。ロシアにとっては5月9日までに終わらせたかった最も重要な軍事作戦だった」と述べ、戦勝記念日にあわせて軍事的な成果を示そうとしたロシアの思惑は失敗したと指摘しました。
バフムトをめぐっては、ロシアの正規軍とともに戦闘に加わっている民間軍事会社ワグネルが弾薬の不足を理由にバフムトから撤退する意向を示し、ロシア側の足並みの乱れが指摘されています。
これについてワグネルの代表プリゴジン氏は9日、要求していた弾薬の一部をロシア国防省から受け取ったとした上で「われわれはバフムトを離れず、あと数日は戦うだろう」と主張し、引き続きバフムトの戦況が焦点のひとつとなります。
ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、「われわれは5月と6月の新たな出来事に備えて、活発に準備を進めている」と述べていて、今後の東部や南部での反転攻勢を示唆しました。
-- NHK NEWS WEB