日本が海外との貿易や投資でどれだけ稼いだかを示す昨年度1年間の経常収支は、黒字額が前の年度の半分以下に落ち込みました。エネルギー価格の高騰や記録的な円安で輸入額が膨らんだことが要因です。
財務省が発表した国際収支統計によりますと、昨年度1年間の経常収支は、9兆2256億円の黒字でした。
黒字額は、前の年度よりも10兆9265億円減りました。
減少幅は過去2番目で、黒字額は前年度の半分以下の水準まで落ち込みました。原油などエネルギー価格の高騰に加えて記録的な円安で円に換算した輸入額が大幅に増加したのが要因で、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は18兆602億円の赤字と、過去最大の赤字額となりました。
一方、日本企業が海外の子会社から受け取った配当や利子などの収支状況を示す「第一次所得収支」は35兆5591億円の黒字となりました。
黒字額は前の年度よりも6兆5508億円増え、過去最大となりました。
エネルギーや資源価格の上昇で総合商社の子会社の業績が好調だったことなどが要因です。
また、合わせて発表された、ことし3月の経常収支は2兆2781億円の黒字でした。黒字額は去年の同じ月よりも9573億円減りました。
-- NHK NEWS WEB