ウクライナ東部の激戦地バフムトの戦況についてウクライナ側は現時点で優勢だと主張しました。現地で戦闘を続けるロシアの民間軍事会社の代表は「十分な弾薬がなければ、われわれは全滅するだろう」と厳しい認識を示しました。
ウクライナ軍の参謀本部は11日、ウクライナ東部でロシア側の攻撃を合わせて39回退けたと発表しました。
そして、特に戦闘が激しくなっている都市として、東部ドネツク州のバフムトとマリインカを挙げ、2つの都市をめぐる攻防で、ロシア側の攻撃は失敗が相次ぎ、ウクライナ側が現時点で優勢だと主張しました。
前線の状況について、バフムトで戦闘を続けているロシアの民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏は「われわれの部隊の要員が減ったため、陣地の一部をロシア軍に引き渡したが、軍はそこで失敗した。今のワグネルには包囲されるリスクが出てきた」と10日、SNSに投稿しました。
そして、「ロシアの正規軍の部隊はバフムトの市外に移動し、今、市内に残っているのはワグネルだけだ」とし、「もし十分な弾薬がなければ、ウクライナ軍によって、われわれは全滅するだろう」と厳しい認識を示しました。
アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は10日、バフムトの戦況について、「ロシア側は、部隊の消耗が著しく、戦闘への対処も場当たり的だ。部隊の指揮・統制に明らかに失敗していて、作戦の妨げになっているとみられる」と指摘しています。
-- NHK NEWS WEB