ウクライナに侵攻するロシア軍は、首都キーウを含む各地を複数のミサイルなどで集中的に攻撃しました。ウクライナ軍はこれらをすべて撃墜したと発表し欧米の軍事支援を受けるウクライナ側の防空能力が向上していることもうかがえます。
ウクライナ軍の参謀本部は16日、ロシア軍がミサイル18発を発射して各地を攻撃したとしたうえで「ウクライナの空軍と防空能力によってすべて破壊した」と発表し、迎撃に成功したと強調しました。
ウクライナ軍は、ロシア側が極超音速ミサイルだと誇示する「キンジャール」6発や、ロシア海軍の巡航ミサイル「カリブル」9発などを撃墜したとしています。
また、ロシア軍の無人機による攻撃も行われたものの、いずれも撃墜したとしていて、欧米の軍事支援を受けるウクライナ側の防空能力が向上していることもうかがえます。
今回のロシア軍のミサイル攻撃は首都キーウなどを標的にしたもので、キーウ当局は「異例の集中攻撃だった」と指摘しています。
キーウのクリチコ市長はSNSで、市内の複数の場所でミサイルの破片などが落下したり爆発が起きたりし、これまでに3人がけがをしたほか建物やバスなどに被害が出ていると投稿しました。
また、東部ドネツク州の激戦地バフムトでは、掌握をねらうロシア軍に対し、ウクライナ軍が反撃に乗り出しています。
イギリス国防省は16日の分析で「ロシアの民間軍事会社ワグネルの部隊がバフムトの中心部で前進を続けている」と指摘しました。
一方で「ウクライナ軍はこの4日間、戦術的な進歩をとげ、街の南部と北西部ではロシア軍を退け、より安全に重要な補給路を再び構築できた可能性が高い」としてバフムト周辺でロシア側を押し戻して補給路を確保したとしていて、現地では攻防が続いているとみられます。
-- NHK NEWS WEB