オフィス用品大手のアスクルは、埼玉県の物流倉庫で起きた大規模な火災の影響で101億円の特別損失を計上し、ことし2月下旬までの9か月間の決算が29億円の最終赤字になったと発表しました。
アスクルは、ことし2月に埼玉県三芳町にある物流倉庫で大規模な火災が起き、今も個人向けの通販事業の一部で商品の配送が遅れるなど影響が続いています。
会社は火災の影響で発表を延期していた、ことし2月20日までの9か月間の決算を5日に発表し、火災で焼けた商品の費用など101億円余りを特別損失として計上した結果、29億円余りの最終赤字となりました。
また、ことし5月20日までの1年間の業績の見通しは、個人向けの通販事業を中心に火災の影響が及ぶとして、売り上げ高はこれまでの予想より130億円少ない3350億円、営業利益は15億円少ない80億円に、それぞれ下方修正しました。ただ、年間を通じた最終的な損益については、「保険金の受取額が確定していない」などとして未定としました。
アスクルでは、物流倉庫の火災で大幅に低下した出荷能力を増強するため、東京都内や埼玉県内の合わせて5か所に新たな物流センターを整備するなどして、ことし9月末までにサービスの全面復旧を目指すとしています。
これに関連して、アスクルを傘下に持つIT大手のヤフーは、ことし3月期の決算で138億円余りの特別損失を計上する見通しだと発表しました。ただ保険の受取額が確定していないため損失額は今後、変動する可能性があるとしています。
-- NHK NEWS WEB