急速に利用が広がる対話式AI、ChatGPTを開発したベンチャー企業「オープンAI」のCEOが、アメリカ議会の公聴会で初めて証言し、AIの安全な利用には規制が不可欠だとしたうえで、アメリカが主導して世界共通のルール作りをすべきだと強調しました。
アメリカ議会上院の委員会は、16日公聴会を開き、ChatGPTを開発した「オープンAI」のサム・アルトマンCEOが、安全対策などについて、およそ3時間にわたって初めて証言しました。
この中で、アルトマンCEOは「われわれの技術がこれまでにもたらした利益は、リスクを大きく上回ると信じているが、安全性の担保は極めて重要だ」と指摘しました。
そして、「AIの性能が向上するにつれて生じるリスクを軽減するため、政府による規制が不可欠だ」と述べ、技術の開発や一般公開にあたっては十分な実験の実施などを要件とすることなどを提案しました。
また、議員から、世界的に急速に利用が広がるAIのような技術をどのように公平に規制していくべきか問われたのに対し、アルトマンCEOは「各国と協力してアメリカが国際的な基準を設定する方法はあると思う。それが世界にとってよいことだと思っている」と述べ、アメリカが主導して世界共通のルールを作ることが重要だと強調しました。
対話式AIをめぐっては、マイクロソフトやグーグルなどIT大手の間で開発競争が激しくなっていて、安全性の確保が世界的な課題になっています。
-- NHK NEWS WEB