日本を代表する研究機関、理化学研究所に所属する任期付きの研究者など380人が昨年度末に雇用期間の上限を迎え、雇用の継続を求めていた問題で、半数近くが研究所を離れたことを研究所の労働組合が明らかにしました。
任期付きの研究者は、労働契約法などに基づき雇用期間が通算10年を超えると任期のない雇用に変更できますが国内の大学や研究機関では就業規則などで雇用期間の上限を10年としているところがあります。
理化学研究所でも、以前の就業規則に基づき任期付きの研究者など380人が昨年度末に雇用期間の上限である10年を満了することから、研究所の労働組合などが雇用の継続を求めていました。
これについて労働組合が18日、厚生労働省で会見を開き、雇用期間を満了した380人の半数近い184人が理化学研究所を離れ、一部は大学や企業に移ったことを明らかにしました。
一方、196人は、期限付きのプロジェクトに採用されるなどして先月1日以降も雇用が続いているということですが、事務職への転換や降格が行われた例もあるとしています。
労働組合は会見で「離職した人たちは研究業績で判断されておらず問題だ。研究所に対し、離職した人が復職できることや安定した雇用が続くことを求めていきたい」と話していました。
理化学研究所は「契約期間の上限を撤廃するなど新たな対応策を進めている。雇用が続く人との契約は研究所との合意に基づくもので不本意なキャリアチェンジや降格はないものと認識している」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB