企業が株主への還元策としていわゆる「自社株買い」を活発に行っていることが最近の株価上昇の要因の1つと指摘されています。これについて今月、企業が発表した「自社株買い」の総額が3兆2000億円を超え、過去最大となったという調査結果がまとまりました。
企業が自社の株式を買い戻す「自社株買い」を行って株式を消却すると企業が発行した株式の総数が減り1株あたりの価値が高くなると考えられるため、投資家の多くは、これを株主還元策の1つと見ています。
東海東京調査センターによりますと、今月1日から19日までに東京証券取引所に上場している企業が発表した自社株買いは、総額で3兆2300億円余りにのぼるということです。
これは、企業が1か月間に発表した自社株買いの総額としては、去年5月の3兆1200億円余りを上回り、過去最大となったということです。
東証は、ことし1月、市場での評価が低い企業に改善を求める方針を明らかにし、3月下旬にはこの方針に沿って対応するよう上場企業に通知していて、これも企業が自社株買いを活発に行う背景にあるとみられます。
市場関係者は「自社株買いを行うだけでなく、思い切って成長が見込まれる分野に投資するなど持続的な成長に向けた取り組みができているかどうかに投資家は注目している」と話しています。
-- NHK NEWS WEB